私たちの暮らしと大きくかかわる「相続法」が2018年7月に改正されました。
前回相続法が改正された1980年からは、40年ぶりの大改正。
この40年で、日本の社会構造は大きく変化しました。
平均寿命は、男性80.98年、女性87.14年と10歳近く伸び、
高齢者率は全人口の27.7%。4人に1人が高齢者という超長寿社会となっています。
夫が他界した時に、残された妻が80代という「老老相続」が増加。
夫を見送ったあとに一人残された高齢の妻の暮らしを守る必要が高まっています。
また、4人に1人が高齢者という社会において、
誰が親世代の介護の負担を担うのかという問題も深刻になっています。
ライフスタイルや家族の形の変化、そこからくる相続トラブルに対応するための方策が
盛り込まれた改正となったのです。
40年ぶりに改正した「相続法」
やさしい妻がチェックするべきポイントは?!
進む高齢化とライフスタイルの変化に対応するため、たくさんの方策が盛り込まれた「改正相続法」。
親の介護をがんばっている。
夫が他界したあとが心配。
そんなやさしい奥さんのための5つの改正ポイントをまとめました!
まずは興味のあるところからチェックしてみてください。
【介護と相続に備えたい。やさしい妻のための使える5つの相続法改正ポイント】
- 【配偶者居住権の新設】 ~2020年4月1日スタート~
自宅で最後まで暮らしたい!残される妻の不安を解消 - 【特別の寄与の制度の創設】~2019年7月1日スタート~
頑張ったお嫁さんにも取り分が!介護を頑張った人が報われる社会に - 【預貯金の払い戻し制度の創設】~2019年7月1日スタート~
突然夫が他界した!?資産が凍結で困らない。当座のお金が引き出せる - 【自筆証書遺言の方式緩和】~2019年1月13日スタート~
「お父さんシッカリ!間違えちゃダメ」→パソコンで楽々、遺言書が書きやすくなりました! - 【遺言書の法務局での保管制度の創設】~2020年7月10日スタート~
遺言書を見つけやすく! 書いてもらったはずの遺言を迷子にしない
相続法改正その前に。
押さえておきたい「相続の基本3点」
以上のように様々な使える制度が新設された「改正相続法」ですが、使いこなすには、「相続の基本」を知っておかないといけません。
そこで、改正前も、改正後も変わらない「相続の基本3点」をみていきましょう。
まず、どなたかが亡くなると「相続」が発生します。
そして、その方が残した財産「遺産」は、その人の「相続人」などに引き継がれます。
このとき、何が「遺産」にあたり、誰が「相続人」で「どのように」引き継がれるのかなどの
基本ルールが民法に定められています。これが、いわゆる「相続法」です。
「相続法」で定められている故人の遺産を相続できる「相続人の範囲」と「相続分」は以下のとおりです。
故人が残した「遺産」は、遺言書があれば、遺言書の通りに引き継がれます。
遺言書がなければ、相続人全員が話し合って引き継ぎ方を決めます。
これを「遺産分割協議」といいますが、
一人でも賛成しない相続人がいると、まとまりません。
これが相続トラブルの原因となるのです。
改正後も変わらない「相続の基本3点 ①相続人の範囲 ②相続分 ③遺言がなければ遺産分割協議」
については、引き続き注意をしておきましょう。
参考)ホントにあったトラブル事例から学ぶ。 夫の死後が心配な妻のための「改正相続法」の使い方
改正で創設された新しい権利を実現するにも「相続人全員での話し合いが必要」です。
相続が発生してから、家族間でごたごたするストレス
そもそも話し合いが出来ないかもしれない不安
家族の問題を裁判に持ち込まないといけない時間とお金の負担
そんな大変さを考えると、やはり、父、母、夫が元気なうちに、家族で話し合い、「生前対策」をされることがオススメです。
人生100年時代
父母夫が元気なうちに、やさしい相続対策を!
人生100年時代。
変わる家族の形を反映した改正相続法。
「家族でできる生前対策」のカタチも様々な種類がでてきています。
介護する側もされる側も、相続する側もされる側も、みんな仲良く笑顔広がる毎日のために、
ポイントを押さえて使いこなしていきたいですね。