ゴミと猫にまみれた、おひとりさまJさん。セルフネグレクトからの脱出

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田植えが終わり、毎晩、カエルの大合唱です。

梅雨にはいり、体調管理には気をつけようと思います。

 

【セルフネグレクトって?】

最近、よく耳にするようになった「セルフネグレクト」という言葉。

みなさん、ご存知ですか?

セルフネグレクトとは、通常の生活を維持する意欲や能力を失い、生活環境や栄養状態が悪化しているのに、周囲に助けを求めない状態を指します。

必要な食事をとらず、不衛生な環境で生活を続けることで、ごみ屋敷になったり、孤独死する場合があります。

 

 

【ゴミと猫にまみれた、Jさんのセルフネグレクト】

 

今回は、まさに「セルフネグレクト」状態だったJさんのお話しです。

Jさんの家は、もっとごみがありまし
Jさんの家は、もっとごみがありました!

 

 

【世界を飛び回る商社マンから、セルフネグレクトへ】

Jさんは82歳で、独り暮らしです。

奥さんとは、40年ほど前に離婚しました。娘がいますが、離婚してから会っていません。

現役時代は、商社マンとして、世界中を駆け回っていたそうです。

 

しかし、退職後は、地域の人との繋がりも交流もなく、次第に孤立していきました。

 

世界中を飛び回っていた商社マンとしてのプライドが邪魔をして、なかなか地域にとけこむことができません。

 

足腰が弱ってきて、誰かにご飯を買ってきてほしくても、遠慮して人に頼むことができません。

 

私達が相談を受けた時のJさんは、まさに、セルフネグレクト状態でした。

 

家の中は背の高さまで、足の踏み場もないほどにゴミが積み上げられていました。

ぼろぼろになった家のすき間から、ネコが自由に出入りしているものですから、家中、強烈な異臭を放っていました。3分もいると体が、かゆくなってきました。

 

Jさんの服は汚れて異臭を放っていました。
Jさんの服は汚れて異臭を放っていました。

 

 

Jさん自身も、お風呂も入らず、服も着替えず、不衛生極まりない状態でした。

ご飯も、腐っているような物ばかり食べているので、栄養状態が悪く、顔が青白くむくんでいました。

 

みかねた近所の人が、福祉に相談しましたが、Jさんは、頑として「人の助けは必要ない」と言い張ります。

 

 

 

【人の助けは必要ない!ゴミと猫にまみれた生活】

 

福祉の方から、ともえみに良い方法はないかと相談がありました。

 

早速、私たちは、Jさんのゴミだらけの家に行きました。

私達も最初は「助けは必要ない。一人でやれている。」と、けんもほろろで、とりつく島もありません。

けれど、このまま、このゴミ屋敷にJさんを放っておくわけにはいきません。

何度も何度も、福祉の方と、Jさんのお宅に通いました。

 

私達は、「Jさんの意思を最優先で尊重し、その手助けをしたい」と伝え続けました。

何度も通っているうちに、Jさんはポツリポツリと自分のことを話してくれるようになりました。

 

Jさんは、娘さんのことをとても可愛がっていたそうです。

娘さんも、Jさんのことが好きで、休日には家族でよく遊びに行っていたそうです。

「娘なら、自分の手伝いを必ずしてくれる。けれど、どこにいるかわからない。自分で探して、昔のように話をしたい」とさびしそうに話してくれました。

私達は、「一緒に娘さんを探します。」「娘さんと会う時は、格好いいJさんでいてほしい。私達にその手伝いをさせてほしい。」と、お話ししました。

 

2か月くらい通い続けた結果、ようやくJさんは、私たちのサポートを受けいれることに同意してくれました。

 

Jさんと話し合い、支援の方法をまとめました。

公証人に来てもらい、その内容を公正証書で作成しました。

 

【セルフネグレクトからの脱出!Jさんと大忙しの日々】

 

それからは、Jさんも私達も大忙しでした。

Jさんは自宅での居住を強く希望されたので、まずは、室内のトラック2杯分にもなるゴミを捨てました。

次に、ネコが入って来れない様に家を補修し、部屋をきれいに清掃しました。

 

あと、Jさんが、毎日おいしい食事をしてもらえるように、毎日ヘルパーさんが来てくれるように手配をしました。

元来、人好きなJさんは、ヘルパーさんを捕まえてはおしゃべりを楽しんでます。

ゴミ屋敷時代のJさんの写真を見ては、「こんな暮らしを良くしていたねー」と今では笑っています。

 

こうして、Jさんは「セルフネグレクト」を脱出しました。

そろそろ、娘さんとも再会できそうです。

私達は、これからもJさんが楽しく暮らしてもらえるように、支援に全力を尽くします。

 

 

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