認知症のお母さんを残してお父さんが他界したらお父さん名義の遺産はどうなるの?

今回ご相談いただいたのは、認知症のお母さんを持つB子さん。

今はデイサービスを利用し、ヘルパーさんと協力しながらお父さんと2人で今まで通りの暮らしを続けているのですが・・・

ご家族の状況とB子さんの心配事

お母さんは77歳。1年前にアルツハイマー型認知症と診断されました。

実家もお金もほとんどがお父さんの名義のため、お母さんはしっかりと介護サービスを受けられています。

お父さんは、今までお母さんにまかせきりだった生活費のやりくりや料理・洗濯をするようになり、ご両親は実家で2人で生活しています。

家族信託事例

ある日、お父さんから「風邪をひいてい寝ている」と電話がありました。

慌てて実家に戻るとお父さんの熱はすでに下がっており、「ちょっと疲れがでただけ」と言っていました。

この一件でB子さんは、万が一お父さんがお母さんより先に他界してしまったらどうなるのかと心配になったのだそうです。
 

認知症のお母さんを残し、お父さんが他界したらどうなる?

どなたかが他界すると「相続」が発生します。

故人が残した財産は、

  • ・遺言があれば遺言のとおりに
  • ・遺言がなければ相続人全員で話し合い(遺産分割協議)をして分ける

ことになります。(民法907、908条)

したがって、B子さんのお父さんがお母さんより先に他界した場合は、B子さんとお母さんの「遺産分割協議」で遺産を引き継ぐことになります。

しかし、B子さんのお母さんはすでに認知症のため「遺産分割協議」ができません。

今のままだとせっかくお父さんが残してくれた遺産を引き継いで使うことができなくなってしまいます。

お父さんが遺言書を残してくれていた場合は、遺産は遺言書の通りにお母さんへ引き継がれます。

しかしお母さんはすでに認知症。

判断能力が低下している人は、銀行でのお金の引き出しや定期預金の解約、不動産の売却や修繕、介護施設や医療費などの支払いといったお金の管理ができません。

お父さんから引き継がれた遺産を使うことができないのです。

お母さんが既に認知症でも遺産相続・遺産の管理を解決できる「家族信託」

万が一、お父さんが認知症のお母さんより先に他界しまった時のことを考え、お父さんとB子さんの間で「家族信託」の契約をしておくことにしました。

家族信託は、自分の生きている間の財産の管理だけでなく、自分が他界した後の財産の管理を2段階で定めておくことができるのです。

これによりB子さんは、お父さんから信託された財産を、

  • ・お父さんが元気な間はお父さんのために
  • ・お父さんが他界したあとはお母さんのために

使うことができるようになりました。

家族信託事例

委託者(財産を托す人)   :お父さん

受託者(財産を託される人) :B子さん

受益者(信託の利益を得る人):①お父さん ②お父さんが他界後はお母さん

信託財産(預ける財産)   :①自宅 ②お父さん名義の3,000万円

信託の目的  :お父さんとお母さんの安心な老後の生活の実現

受託者の権限 :実家の管理、売却、売却代金の管理、お父さんとお母さんの生活・介護・医療費の支払い

信託終了時  :お父さんとお母さんが他界時。すべての財産を換金し、B子さんへ引き継ぐ

このように、お父さんがB子さんに「自分が先に他界した時は、財産を認知症のお母さんのために使うこと」を託しておくことで、B子さんはお父さんが他界した後も安心してお母さんの介護を続けることができるのです。

家族信託の結果とメリット

①お父さんの体調の変化や認知症になった後も資産は凍結せず、B子さんが契約内容にしたがって財産を管理することができる。

②お父さんが先に他界した場合、認知症のお母さんのために財産を使ってあげることができる。

③お父さんが先に他界し、お母さんの在宅介護が難しくなった場合、空き家になった実家をB子さんが売却して施設の費用や介護費用に充てることができる。

④お父さんが他界した時に、実家の名義をいったんお母さん名義に変更する費用(相続登記)が節約できる。

⑤B子さんはお父さんの資産を預かっているだけなので、贈与税がかかることはない。

⑥お父さんから信託された財産とB子さんの個人財産は分別して管理ができるため、お父さん他界後のお母さんのことを安心して任せてもらえる。

⑦お父さんが他界しても、お父さんの遺産をお母さんのために使えるため、B子さんも安心して生活が送れる。

お母さんが認知症になったら、今すぐお父さんと「家族信託」を検討しよう

 

今回のB子さんのように、お母さんが既に認知症である場合でも、財産の名義人であるお父さんが元気なら、家族信託を使うことができます。

長寿社会の日本において、親のどちらかが他界した場合に、片方が既に認知症ということもよくあることです。

このような場合でも、両親が2人で築いた遺産が凍結することなく両親のどちらも天国へいくまでしっかり使える仕組みを整えておくことが大切です。

お母さんが認知症になってしまったときは、今すぐお父さんと家族信託を検討されることをオススメします。

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<豆知識>遺産相続フローチャート

7chart

 

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